さわやかな朝のひととき・・モリバコーヒーのモーニングでご満悦

朝から出かけることは珍しい。

 

「コーヒーと…軽く入れてくものがないものか」

 

しかしここサラリーさんの街・四谷でも朝からやっている店は少ない。

 

「この時間に外にいるなら、モーニングセットにしたいな」

 

ちょうど見つけたフレッシュネスバーガー。
実はここの大ファンである。

 

「ここだ。ここがいい」

 

しかし問題は今日のいでたち。
半袖短パン、手荷物はケータイだけ。
現金がない。

店内に入り、そして尋ねた。

「電子マネー使えますか?」
「すいません。現金のみなんです」


静かに退店。

首都東京。
経済都市大東京。
現金なければ乞食と同じ。

 

モリバコーヒーとの出会い

てくてく歩くも良い店はなく。
スターバックスはやっているようだが、半袖短パンでは入りづらい。
オサレ女子に隠し撮りされてインスタでさらされるやも。

「いっそコンビニでも…」

と、
ちょうどそこに目に入った。

「MORIVA COFFE (モリバコーヒー)」

初めて聞く名である。
小規模にチェーン展開しているのだろうか。

看板が目に入る。
モーニングセット390円と良心的ではないか。
なによりsuica、iDが利用できると記載がある。

 

「ここだ。ここにしよう」

 

店に入った。

 

店内はゆったり森空間

「いらっしゃいませー」

 

入店すると、木目調に黒と緑を基調とした落ち着いた雰囲気。淡く光る黄色いライト。
聞き覚えがあるアメリカの流行歌が流れている。

 

「こちらにどうぞー」

 

バイトかパートと思わしきマダムが私に呼びかけた。

どうやら他の喫茶店よろしく、まず注文、そして支払いをし、商品を受け取り、席に着くらしい。

 

入る前からメニューは決めている。

 

「Aセットで飲みものはアイスコーヒーで」

 

店頭の看板にあったAセットのハムタマゴサンドである。
ボリューム感があり美味しそうだった。

 

「390円です」

 

このマダムには安定感がある。
顔面採用のスターバッ○スやブ○ーボトルではこの安定感は出せない。

 

席から眺める店内の様子

席に着いて周りを見回した。
店内にいるお客さんの平均年齢は30代後半だろうか。
キラキラ女子はいないようだ。
彼女たちがいたら、コーヒーを持ち上げてパシッと撮ってインスタにあげているだろう。
コーヒーは2の次。
おしゃれなお店に自分がいる。この事実が重要なのだ。

だがここは四谷。そのような女子はいない。

休憩中のサラリーマン。気品のある老婆が外を眺めている。
平和な時間だ。
それぞれがおのおのの時間を過ごしている。

奥には喫煙席もあるようだ。
ここでは東京で戦う闘士(グラディエーター)たちが一服と休息を楽しんでいる。

小汚いおじさんがスポーツ新聞片手に喫煙席に入っていった。
だが違和感はなく、ここでは多様性が認められているかのようだ。
いつからだろう。店の求めるイメージお客側が合わせ始めたのは。

落ち着いた大人の空間。まるで森の中のようだ。
「そうかそれでモリバコーヒーなのか」

 

と感心しているとメニューがきた。

 

ハムサンドはボリューミーでうまし

モーニングAセット・ハムタマゴサンドが到着。
トーストを半分にカットし、ハムとスクランブルエッグがぎっしりサンドされている。
このパンは5種類の雑穀が含まれているらしく、若干黒ずんでいる。
それがまた食欲をそそる。

コーヒーは中々のサイズ。他店ならLサイズぐらいはあるんじゃないだろうか。
これで390円はお得感がある。

早速口に運ぶ。
寝起きから何も口にしていないためか、パンの芳醇な香りが鼻腔を刺激する。

 

「うまい」

 

雑穀とタマゴがいい感じに口の中で混ざり、幸福感を放出している。
むさぼりついた。

具沢山がうれしい。
他チェーン店ではメニュー表では見栄えは良いが、いざ商品を目にすると全く異なるシロモノが出てくることがある。

しかしモリバはメニュー表のとおりで好感が持てる。
そのままだ。

勢いよくパンを平らげ、食後のコーヒーを楽しむ。
この時間が喫茶店での至極の時である。

ふと周りを見渡すと、他のメニューが目についた。

コーヒーMサイズ 220円。
その他メニューも低価格で400円を超えるものが見当たらない。

ものすごい価格競争力だ。
調べてみるとゼンショーグループが展開しているようだ。
ゼンショーと言えばすき家を展開しているあのゼンショーである。
モリバコーヒーはまだ都内で10数店舗で、渋谷・目黒・自由が丘・池袋にも展開しているらしい。
まだまだ大手に比べると少ない。

でもこの店なら他のチェーン店を駆逐するかもしれない。

なるほど、謎は解けた。
といったところで、用事もあるのでここらでおいとました。

 

「ごちそうさま」

 

平日の太陽も昇りきる前の静かな時間。小さな幸福感とともに店を出た。

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