【感動】新宿で出会った天涯孤独の不幸女に、お金をせびられそうになった話

2018年3月9日

週末の金曜。今夜は夜勤でした。
世間は3連休だというのに、自分は3日とも仕事・・

「さて、夜勤の用意するか」

とその時、LINEメッセージがひとつ届いた。

「こんにちは!!」
「どした」
「会いたい!!!」
「置き引きされて一文無しなの。(泣 
昨日酒乱起こしてどっかに財布起きっぱにしちゃってさ(´;ω;`)」
「ありゃ。俺より警察に頼った方が良いのでは」
「警察は何もしてくれないよ、、、」
「まぁ 調べようもないしなぁ」

 

新宿の女「S」について

ここから相手を「S」と呼びます。(LINEの表示名も変えてます)
Sは新宿のバーでたまたま出会った女です。

その後、数回会うことがありました。
(とりあえず、何でも飛び込む悪いクセが発動してました・・)

そこで分かったことは

・フリーター
・21歳
・ブルゾンちえみを太くした女
・タバコを吸う

・彼氏はホスト
・彼氏にお金を渡している
・歌舞伎町に知り合いが多い
・お金にだらしない
・何も考えていない

はっきり言って関わりたくないので、しばらく連絡はしてませんでした。

そのSから急に連絡が入りました。
財布がなくなって一文無しになったというのです。

そもそも関係の薄い自分に連絡がくること自体が異常です。
まともな友人がいないのだろうか。
とりあえず非常に困った状況にあることは分かりました。

 

新宿の女「S」、お金も食料もない。友達もいない。

夜勤まで10分。
スマホは持ち込めない。
それまでの間、Sの状況を聞き取ることにしました。

「そうなのよ、、、みぶんしょも何もないのよ、、、助けてください、、、お願いします、、、」
「俺に頼ってくれたのはうれしいけど、後10分で仕事開始なんだ…」
「夜も会えないの??」
「うむ」
「明日も??」
「昼に用事あるからなぁ・・本当に困ってるようなら、夜勤明けに飯としばらくのお金を渡してもいいと思ってるけど」

 

身分証まで無くしてしまったという悲痛な叫び。
財布以外にも全ての持ち物を無くしたのかも・・

大東京でこれはまずい。
しかも頼れる人もいないという。

 

「天涯孤独」

 

この言葉が頭をよぎった。
しかも雨も降っている。しかも10月に入ってから寒い。

「下手したら、飢え死ぬかもしれん」

ほんとにそういう状況にあると感じました。

「そうなの?? (泣
本当に??お願いしてもいいの??」
「まじで困ってるようだな・・金だけ貸そう」
「ほんとに??ありがとう (泣
お言葉に甘えて恩に着ます、、、」
「9:30 新宿かな」
「朝ね」
「了解した!!
本当にありがとう (泣 」
「今日はどーすんの?」
「何も食べれないから何もできないよ、、、」

 

朝一に会って、お金を渡すことにしました。
というよりここで見捨てたら、この子はホントに東京で飢え死ぬかもしれん。

「区役所とかにいけば何とかしてくれないのか?」

と思ったけど、そんなことできたら新宿にホームレスはいないか。

東京はこういう時、ほんとどうするんだろう・・

「家は?」
「雨だから公園もいけないし、、、」
「家は?って?」
「あれ 友達と住んでなかったっけ」
「そうなんだけど 友達出稼ぎ中でおうちいない」
「あら」
「相席居酒屋女性タダで飯食えるんじゃなかったっけ」
「相席屋か、、行ったことない」
「男と話すだけで、飲み食いし放題だよ」
「でも、気分上がらないから引きこもりたい (泣  」

 

家の鍵も紛失したのか、家に入れないようです。
鍵があれば、たしか家は新宿から徒歩圏内なので、お金は無くても帰れたのに・・

しかし雨が降っているので、公園でも寝れないとのこと。
というか、若い女が公園で寝るのはよくないやろ・・

相席居酒屋なら女性はタダで飲み食いできるのを思い出しました。
提案したが、気分が乗らないとのこと。

「いあー まず飯の確保やろ…」
「住まいの大家か管理会社に言えば 部屋の合鍵もってるのでは」
「仕事だから しばらくLINE見れなくなるよ。18:30にもう一度見れるけど」
「鍵はあるの!財布だけ抜かれたから(´;ω;`)」
「あるんかい(*_*)  今日はおうちかえりなされ」
「うん(´;ω;`)明日はお願いします。お仕事頑張ってね!」
「おう 飯はなんとかしなさい」
「うん!なんとかする。(泣   ごめんね、ありがとう」

 

鍵あるんかい!!

ずっこけたが、とりあえず一安心。
話の文脈が前後で矛盾しているところをみると、気が動転している様子

まぁお金が無くても、家に帰れば一日はしのげるでしょう。
しかし当座のお金は無いのは事実。
天涯孤独の女を見捨てることもできないので、なんとかするしかないでしょう・・人として!(;´Д⊂)

新宿の女「S」、やばいやつという疑念

仕事が終わり、スマホを手に取ると真っ先にメッセージを送りました。

「仕事は終わった。」
「お疲れさま!」
「飯食ってないの?」

 

「飯食ってないの?」の後、返答なし・・
このやりとりが続かなければ、待ち合わせ場所も時間も決められません。

とりあえず着替えて出かける用意はしていました。
ひもじい思いをしているだろうから。

この時の「S」のイメージ像は

「大東京で頼れる人も、モノも、お金もない天涯孤独なかわいそうな少女」

です。
ここで自分が見捨てたら、ほんとに死んでしまうかもしれません。

「ごめん、、、二度寝しちゃった、、、」
「食欲はないよ、」
「ほう」
「ほんとごめんね」
「どしよ」
「部屋に食べるものもないの?」
「ないよーう」
「どんなとこ住んでんねん…(-.-;)y-~~~」

 

二度寝したという。
そんな悠長な状況なのか?

ちとイライラしだす。
人をなんだと思っているのか。

しかしやはり家には食料はなかったようです。
やばい状況なのは変わりません。

「いつもコンビニだもん」
「買いに行かなきゃないよ、、ら」
「そして お金もないと」
「はい」
「死んじゃうな…」
「うん」
「たすけて」
「頼れる友達、彼氏はおらんの?」
「いないよ」
「oh…」
「友達今出稼ぎに行ってる」

 

自炊はしていない様子。
飯は自炊でもなければスーパーですらない。コンビニという。
これは食費かかるわ。。どんな生活しているんだ。。

友達が出稼ぎってなんだ・・怪しい仕事が頭をよぎったがスルーしました。

このあたりから、若干「S」に対して不信感を持ち始めています。

「ホスト?の彼いなかったっけ」
「別れたよ」
「飯食うか」
「おなかすいてないよ、、」
「ん」

 

お腹は空いてないという。
昨日の夕方から何も食べていないはずだが・・?

「しぬか」
「こらこら」
「わたし」
「とりあえず会うか」
「どした…」
「俺も暇じゃないんだが」

 

自殺をほのめかし始める。
やばそうなので、とりあえず会おうとしてみるが。。

おかしい・・返事がない・・まさか・・・・・・?

「ごめん、、、」
「昼から用事ある」
「今日はあえなさそうかな」
「半日すっぽかされた俺は それでも会わなきゃならんの?」

 

2時間後に返信。
こいつ状況分かってんのか・・?
てか、自分が思っているほど深刻な状況ではないのかも。。

だんだんアホらしくなってきました。
午後はすてきな女性と銀座でパンケーキを食べる予定があるので、この「S」を相手にしている暇はない。

「ごめんねって」
「ODしたから体がまだだるくて眠気がずっとつづいてるの」

 

OD?

はて?

知らない言葉だ。

ググってみた。

オーバードース(英語: drug overdose)

身体あるいは精神にとって、急性の有害な作用が生じるほどの量によって、薬物が使用されることである[1]。それによって一時的、あるいは永続的な影響があり、最悪死亡することがある[1]。日本語では過剰摂取、過量服薬と翻訳されている。略称は OD。過剰・超過を意味する over と服用量の dose との複合語である。(Wikipediaより)

(((( ̄□ ̄;)))))

薬物の過剰接種・・過量服薬・・・・!!

 

自分の頭に浮かんだもの・・それは

 

「メンヘラ」

 

俺はメンヘラ女に関わってしまったのか!?

「S」とは

 

「大東京で頼れる人も、モノも、お金もない天涯孤独なメンヘラ」

 

自分の手に負える相手ではない・・

下手に依存されたら、ケツの穴の毛までむしり取られるぞ・・

この女から逃げなくては!!

しかし下手に切り捨てたら、自殺か餓死するかも!?

 

俺はどうすればいいんだ!!!!??

良心の呵責が・・・・胸が痛い・・・・

「バイト始めたんじゃないの?」
「今日明日は休みだよ」
「アルタ前これる?5000円あげるから、もうそれで関係を終わりにしよう」
「何で、関係終わりにするの?」
「もう これ以上面倒見きれない」
「なんで?」
「わかった、じゃあ、8時にアルタね」
「ちゃんと来いよ」
「わかった!」

 

笑顔でLINEブロックして男を切り捨てる残酷な女のように、
自分もそれができれば、思いつめることも、悩むこともないだろうに・・

とりあえず、お金は渡すことにします。
死なせるわけにはいかないからです。

金額は5000円。
3日分は余裕の金額です。
これ以上のお金は、同居人から借りるか、バイト代を前借するかしてもらいます。
そもそも、関係性の薄い自分が出すのはおかしいと思うので、これぐらいが妥当なはず。

そしてそれとなく、もう会わないことを伝えてます。
よく分からんが、スルーされた。ふぅ。

良心の呵責・・葛藤・・・俺は人として正しいことをしているのか・・??

とりあえず会うことになりましたが、ふと思いました。

「俺、危なくね?」

相手は危機的状況のメンヘラです。
その女とアルタで会うのです。

そこで、お金を渡して金輪際会わないことを宣告する。

 

アルタのど真ん中で泣きすがられるのでは?

 

いや、すでに関係を断とうと宣言しているので、

 

包丁で刺されるのでは・・?

 

やばい。
自分はとんでもない状況にいるようです。

銀座でBills

とりあえず素敵な女性とパンケーキを食べる予定があるので銀座へ。
なんでよりによってこの日なんだ・・

と思いつつも、メンヘラのことはすっかり忘れて、楽しく談笑してました。Billsうまいね。高いけど。
最近、肝が据わってきたのかもしれない。

新宿で貸しロッカー探し

銀座で素敵な女性と別れ、新宿へ。
「S」に会う1時間前に到着です。

「S」に会わずにお金だけ渡す手法・・

古典的だけど、貸しロッカーにお金を入れおいて、暗証番号だけ伝える。

これしか思いつきません。

新宿駅構内を散策してしてみましたが、ロッカーはあれど、使用中ばかり。

あったとしても「鍵タイプ」「Suica認証」「QRコード読込」・・

 

。。

。。。

さがすこと30分。

小田急の改札の前にありました!!

ここの貸しロッカーは現金で清算すると、暗証番号だけで開けれるようです!!

 

ここに5000円を入れた茶封筒と、コンビニで買ったパンとお茶を入れて全ておわりだ!!

 

葛藤始まる

ロッカーの前でふと思いました。

5000円で足りるのか?
相当生活能力の低い女だぞ・・?
もう会わないなら3万ぐらい包んでよいのでは・・?

ほんとにこれが正解なのか?
人としてどうなんだ?
俺しかもう頼る人間がいないんだぞ??

信んじた人間に裏切られるのは、胸が張り裂けるほど痛いぞ?
それを他人だからと、俺が行っていいのか?
危ない女なら、裏切ってもいいのか?

良心の呵責・・罪悪感・・葛藤・・過去のトラウマ・・

いろんな想いが、頭と胸を駆け巡る。

そして出した結論は

「会う」

だ。
そして5000円より少し多い、1万円を茶封筒に入れ直した。

新宿の女「S」と対面

「S」からは30分前に連絡が入りました。

「もう歌舞伎にいるからすぐいけるよ!」
「そか。そんじゃアルタにきてくれ」
「うん!8時前には着くと思う」
「もうつくよ!」
「ついたよ」

 

予定よりはやく「S」に会うことになりそうです。

アルタ前にて「S」と対面

丸の内線通路からアルタ前への階段を昇る。
多くの待ち合わせをしている中に「S」がいた。

「おひさしぶりーー♪」

相当な絶望感の中にいるのかと思いきや、ヘラヘラしている。
怒りがわいてきたため、声が出ない。

「怒ってるの〜 (ヘラヘラ」

話を始めることにした。

「朝はごめんね〜」
「何も食べてないの?」
「お昼にコンビニで買って食べた」
「お金なかったんじゃないんか?」
「友達が1000円置いていってた」

お金も食事もなかったのでは?なにを言っているんだ?

「1000円あれば、がんばれば2日ぐらい持つやろ」
「無理。私には」
「2万円でやりくりしてる家庭もあるんだぞ」
「私できない」

なんなんや、こいつは・・・

「バイト始めたんやろ。あさって出勤した時、前借りすればいいじゃないの?」
「ウチの店前借りやってないのよ」
「そこで頼まないのに、なんで俺からはお金をもらえると思う?」
「いやーーだってーーーー」

俺は都合のいい人間か?

「俺にお金のことで頼るのは、人間関係の築き方を間違えてる。ちゃんと付き合う人間考えて、信頼関係を築いていけば、こんな時必ずお金を貸してくれるはずだぞ」
「はー。まじぃ?」

もう関わりたくない。そう思った。
お茶とパンだけ渡した。茶封筒はない。

「これやる」
「これだけ?」
「そう」
「いや、私わざわざここにくるのに時間使ってるし、予定あけてきてるんだよ。無駄じゃん」

俺の午前中をすっぽかしたこと、今ここに来たことについて思うことはないのか?

「君に渡すものはない」
「そうか〜」
「じぁな」
「あそー。じゃー」

胸くそ悪いので、さることにした。

最後のLINEメッセージ

その後LINEに入っていたメッセージがこれである。

「口だけだったね」
「きも」

 

・・・・・

 

「金用意してたけど態度見てたら気が変わった。じゃあな」

 

すぐに返信したが、それ以来既読になることはなかった。

ダメな人間に関わるな

今日いったい何をしていたんでしょうか。
こんな女のことを心配し、良心が呵責し、胸が痛くなっていました。
彼女は財布をなくした事を口実に、自分からお金をせしめたかっただけなのでしょうか?

いや、それすらも考えていないと思う。
行き当たりばったり。嘘のシナリオすらも書くことができない。矛盾だらけ。

どんな気持ちでこれを打ったのだろう。

どんな気持ちでこれを打ったのだろう。

俺は間違った選択をしたのでしょうか?
なんで、ののしられなければならないのでしょうか?

不幸な事故だったのか?

そう思うしかない。

「付き合う人間を間違えた」

これが一番の失敗でした。

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